日々の生活費にも困ってお金を借りに来る低所得者

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金利規制は低所得者層を守るためのものであるべき

貸金業界とアメリカ政府による巻き返し

 

「金利自由化」の大々的なキャンペーン 先にのべた2003年の法改正以後、3年後の出資法の上限金利見直しに向けて業界側も巻き返しに動き始めます。
金利の引き上げが行われたら収益が大幅に減少してしまう彼らは、政界への働きかけを強化していました。
特に、2004年頃より最高裁判所で、貸金業規制法第43条の「みなし弁済規定」の要件を厳格に適用し、利息制限法の制限金利の超過金利を「無効」とする債務者保護の判決が相次いで出されるようになったことは、業界側に危機感をつのらせました。

 

 

みなし弁済規定

 

前にも述べましたが、「みなし弁済規定」とは、以下のようなことです。
本来、利息制限法の制限金利を超える利息での契約は、その超過した部分については無効であり、既にこの部分を支払ってしまった場合、超過部分は元本に当分されます。
ですが、貸金業規正法の第43条は、貸金業者が債務者に法定の契約書面や領収書面を交付していること、債務者が利息として任意に支払ったことなど「一定の要件」を満たせばこの超過金利を有効とみなすとしており、これを抜け穴にした悪質な貸付けが横行していました。
私たちが、この「みなし弁財規定」の不当性を明らかにする取り組みを進めてくるなか、最高裁が、この「一定の要件」というのを厳格に適用し、グレーゾーン金利での貸付けを、「無効」とする債務者保護の判決が出されるようになったのです。

 

 

金利規制を廃止

 

慌てたのは業界側です。 貸金業界は、2006年の「上限金利の見直し」を前に、司法におけるこのような不利な流れを逆転させようとして、「みなし弁財規定」の要件の緩和、出資法に上限金利の年29.2%から年40.004%への引き上げを当面の運動目標とするとともに、将来的には出資法や利息制限法の金利規制そのものの撤廃・自由化を目指し、政府に対する働きかけを強めていきました。
彼らは、御用学者なども動員し、大々的にキャンペーンを展開しました。

 

信用リスクに応じた金利設定論

 

一つは、「信用リスクに応じた金利設定」論です。 どういうことかというと、経済的に余裕のない貧しい人々に対する融資は貸し倒れになるリスクが高くなるため、そのような融資は金利が高くても当然だという考え方です。
しかしながら、貧しい人々ほど低金利で少額ずつ返済していくことが可能な融資を必要としているのです。

 

 

金利自由化論
キャンペーンのもう一つは、「金利自由化論」です。
これは、いまある出資法や利息制限法による金利の上限規制さえも撤廃し、金利を完全に自由化しようというもので、消費者金融市場の自由な競争によって、消費者金融の利息の低下が図られるというものです。
ですが、富裕層に関しては、金利規制の自由化による金利の低下という恩恵を受けることが考えられますが、生活費に困るような低所得者層などには金利を選択する余地はありません。
金利規制の自由化で金利の低下という恩恵をうけるどころか、逆に高金利の餌食となり、規制を強いられます。
なぜなら、金融業者と低所得者の力関係は対等ではないからです。
富裕層とは違い、低所得者は日々の生活費にも困ってお金を借りに来るのであり、貸す側の金融業者は 圧倒的に優位な立場を保っているからです。

 

 

借りる側の立場を考慮すべき

 

つまり、低所得者層に対する貸付においては、自由競争原理・市場原理はまったく働く余地はありません。
したがって、金利規制は高利金融業から経済的弱者である低所得者層を守るために必要な社会政策として位置づけられるべきなのです。
これらは、借りる側の生活状態や弱い立場にあることへの考慮などまったくない、業界側に都合のよい「貸す側の論理」であるといわねばなりません。