脆弱な社会保障制度とワーキングプア拡大が貧困の原因

MENU

労働分野の規制緩和によりワーキングプアが拡大

貧困の現象形態としての多重債務問題

 

2006年新貸金業法の成立により、サラ金の利用者は頭打ちとなり減少傾向になっていますが、それでもサラ金系の個人信用情報機関である株式会社日本信用上表機構によれば、2009年時点におけるサラ金利用者は、1052万4000人となっています。またこの時点における3社以上の借り入れのある利用者は293万人、毎月の返済が三ヶ月以上にわたって滞り、延滞情報に登録されている利用者は225万1000人にのぼっています。
したがって、現在でもなお200万人以上の多重債務者が存在していると想定されます。
なお、多重債務者増加の一因ともなってきたクレジットカードの発行枚数は、2008年時点で3億859万枚となっています。

 

 

ローン地獄

 

現在、基準割引率および基準貸付利率は年0.3%、銀行の普通預金金利は年0.04%という超低金利状態であるにもかかわらず、新貸付業法が成立するまでのクレジット・サラ金・商工ローン業者の貸出金利の大半は、年25~29.2%という高金利となっていました。
大手サラ金業者などは銀行から年2%前後で貸金を調達し、年25~29.2%という高金利となっていました。
それは貸せば貸すほど利益が上がるという状態でした。
このため、利用者の支払い能力を超えて貸し付けを行う過剰融資が横行し、返済困難に陥る多重債務者を大量に生み出してきたのです。

 

 

新貸金業法は、現時点で金利規制やそう

 

貧困問題を解決するには、どうしたらいいのでしょうか。
それには、ワーキングプア対策の強化と生活保護制度をはじめとするセーフティネットの強化が必要です。
なぜなら、日本で貧困が拡大する大きな要因となってきたのは、脆弱な社会保障制度とワーキングプアの拡大があったからです。
もともと日本の社会保障は、他の先進国と比較するときわめて貧しいものでした。
そのような国に代わってセーフティネットの役割を果たしてきたのが、家族、地域社会、企業の福利厚生でしたが、今ではこうした日本型セーフティネットは機能不全に陥るか、著しく縮小していきます。

 

 

規制緩和政策

 

それを強く後押ししたのが、一連の規制緩和政策でした。また、彼らが進めた新自由主義・市場原理主義的な考え方に基づいた政策により、労働分野の規制緩和が進み、非正規労働者が急増、年収が200万円にも満たないワーキングプアが拡大したのです。
したがって、貧困問題を解決するための当面の課題として、普通に働けば人間らしい生活ができるようにするためのワーキングプア対策の強化と、なんらかの事情で働けない場合でも人間らしい生活ができるようにするためのセーフティネットの強化が求められているのです。