低い富裕層は金利規制の撤退で恩恵を受ける

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金利の輸出が金利規制を意味のないものにする

金利規制を撤廃したアメリカの現実

 

ちなみに、アメリカではレーガン政権下の1980年頃より、新自由主義・市場原理主義的な考え方に基づいて規制緩和制作がとられることになるのですが、この頃から、州法で定められていた金利規制の撤廃・自由化が進められることになります。
アメリカの連邦法には金利を規制する法律はなく、従来は50の州でそれぞれの州法により金利規制を行っていました。
それが1980年頃から、金利規制を緩和ないし撤廃する州が多くなります。
さらに、「金利の輸出」という現象が、各州における金利規制を意味のないものにしています。
すなわち、連邦銀行は、免許を取得した州の金利規制に従うことになっているため、銀行の本社は金利規制のない州に集中するようになりました。
その結果、銀行は、その他の州の金利規制の適用を受けることなく営業できるようになったのです。

 

 

自己破産申立件数が100万件を超える

 

こうした金利規制の緩和および撤退により、銀行にとって信用リスクの低い富裕層の人々は、消費者金融の金利の低下という恩恵を受けましたが、金利を選択する余裕のない低所得者層に関しては、逆に高金利の餌食となり、犠牲を強いられています。
特に、ペイデイローンやプレデタリーレンディングといった高利金融業者による被害が激増し、大きな社会問題となっています。
2008年のアメリカ発金融危機の原因となったサブプライムローン問題は、プレデイタリー・レンディングの延長線上にある問題ともいえます。
アメリカでは、日本のヤミ金融にあたるような高利金融が合法化され横行しているため、個人の自己破産申立件数は年間100万件を超えています。

 

 

アメリカ政府による圧力

 

日本の貸金業界が金利の引き上げに反対する運動を強化する一方で、アメリカ政府もまた日本政府に対し、金利引き上げに反対する圧力を強めています。
なぜアメリカ政府が日本における金利の引き上げに反対したかというと、一つは日本で営業していたアメリカ系のサラ金会社の意向を受けていたからです。

 

 

アメリカ系投資ファンドによる働きかけ

 

アメリカ政府が日本政府に対して「金利引き下げ反対」の圧力をかけた理由のもう一つは、アメリカ系投資ファンドによる働きかけがありました。
日本の大手サラ金会社は一部上場企業になって株式公開をしており、この株式をアメリカ系投資ファンドが購入し運用したいたのです。
日本の上限金利が引き下げられてサラ金会社の収益が減少すると、その株価も下落することになります。
こうしたことを避けるため、アメリカ系投資ファンドグループもアメリカ政府に働きかけて、日本政府に対する「金利引き上げ反対」の圧力をかけさせたのです。
日本のサラ金会社に投資している米国金融業者団体は、直接、金融大臣や駐米大使に書簡を送りつけ、金利の引き上げに反対する働きかけを行っています。