日本社会が直面する貧困問題が多重債務の原因

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ヤミ金から借金をする人を減らすには貧困問題を解決

被害者の多くが過払い

 

利息制限法の制限金利を越えて支払った金利部分は、原則として無効となり、超過支払い部分は元本に充当され、 元本がゼロになった後の部分は、「過払金」として返還請求できるというのが最高裁判所の判例です。
たとえば、ある人がサラ金から50万円を、出資法の上限金利である年利29.2%で借り入れをして毎月利息だけを 支払い続けたとします。
これを利息制限法で引き落とし計算をすると5年5ヶ月で残債務はゼロとなり、 その後は過払金が発生することになります。

 

 

自殺に追い込まれる人たち

 

日本消費者金融協会が発行した『消費者金融白書』によると、サラ金の平均利用年数は6.5年、10年以上の利用者は 約3割ということですので、サラ金利用者の多くがすでに債務がゼロになっているか、過払金の返還請求ができる状態になっていると考えられます。
そのことを知らされないまま、苛酷な取立てにあって返済を続けたり、自殺に追い込まれるような人たちを、“自己責任”などとして放っておくわけにはいきません。

 

 

秩父国民党の農民に勇気をもらう

 

私たちの運動は、今から125年前に、高利貸しに反対して蜂起した秩父国民党の闘いに大きな勇気をもらいながら、 金利引き上げ運動を続けてきました。
秩父因民等事件は、深刻な不況に直面した多くの農家が高利の借金の返済不能に陥り、借金の10年据え書きなどの要求をしたが受け入れられず、悪徳高利貸した政府の悪政を批判して、1884年、3000人の農民が埼玉秩父に集結し、命をかけて立ち上がった事件です。

 

 

あとに残った「貧困問題」

 

多重債務問題という大きな山の背後には、もっと大きな山がありました。 それは、わが国社会に広がりつつあった貧困問題です。
多重債務者の多くは、低所得層、貧困層です。
自己破産申立てをして免責許可決定を受ければ一旦は多重債務から解放されますが、自己破産しても相変わらず生活していくのに十分な収入が得られなければ、再び高金利のサラ金やヤミ金に手を出さざるを得なくなります。
したがって、多重債務者の真の救済を考えるならば、債務整理だけでは不十分であり、彼らの生活再建まで フォローする必要がありました。

>>ワーキングプア対策の強化が貧困問題を解決?!

 

 

生活保護受給で・・・

 

債務整理を担当した一人の女性は、シングルマザーの女性です。
彼女は債務整理後もヤミ金から借金を重ね、何度も事務所に相談に訪れました。
この女性はパートとして働いていたのですが、聞いてみると、パートで得られる収入は、子ども一人を抱えて どうしても生活できない額なのです。
あれこれと話し合いましたが、今の日本の状況では、 女性が一人で子育てをしながら安定的な収入を得られる仕事など、そうそう見つかるものではありません。
そこで私は、最終的には、この女性に生活保護を受給できるようになってからは、ヤミ金から借金をすることは なくなりました。

 

 

世直し運動

 

このように、多重債務問題を根本的に解決しようとするならば、私たちは広がりつつある貧困問題の解決に 乗り出さなければなりません。
貧困問題は、今日の日本社会が直面する最大の社会問題であり、この問題の解決を目指す運動は、 「平成の世直し運動」とも言える運動になると、私は考えています。